ダルが来て1週間を迎えようとしている。ダルが家族として溶け込んでくると同時に、先住の動物達も新メンバーを受け入れ始めている。
その中でも、先住犬の変化が興味深い。仔犬帰りというか、僕や奥さんの近くから離れない。以前より増して、「撫でて!撫でて!」の要求が多い。しつこいぐらいだ。以前は、僕たちの愛情を独り占めだったけど、ダルが来たから競争相手ができたと考えた。
果たしてそうだろうか?先住犬はそんな風に考えるのだろうか?そんなにシンプルではないと思う。その理由を考えてみる。
僕たちは、仔犬が来たら先住犬に寂しい思いをさせないため、それから先住犬が居るのに2頭目を飼うという罪悪感から、何でも先住犬優先にしようと考えていた。そして、その通りにしている。褒める時、玄関から家に入る時、ごはんを食べる時、すべて先住犬が先だ。
そして、先住犬が「撫でて!」と寄ってくると僕は以前より真面目にそして長い時間をかけて撫でる。罪悪感がそうさせている。そうして要求に答えているうちに、犬も調子にのってもっと要求してくる。まるで、仔犬のように。これが、僕が先住犬が仔犬に帰ってしまったと勘違いしてしまう理由である。
そもそも、先住犬が2頭目を迎えて、飼主からの愛情が半減してしまうと心を痛めるなんてことは、人間が勝手に考えたことだろう。犬がしょげて最近一人でよく寝るのは、パワーのある仔犬と遊ぶことでただ疲れているだけのかもしれない。
よって、仔犬帰りは間接的には新しい犬のせいだけど、直接的には飼主の心境や態度の変化がその原因と考えられる。