僕が引越してきた田舎の山の中に冬がやってきた。当たり前だけど、ここは2カ月前まで住んでいた東京の冬とはレベルが違う。「ちょっと気温下がるから犬にもコートを着せよう」というレベルではない。道路は凍り、水道管理会社から「水道管を凍らせて破裂させたら責任とって弁償してよ!」という手紙が届いたりする。暖房器具も中途半端に考えていると痛い目にあう。
その中でも今とても困っていることがある。それは、
朝、犬の散歩に行けないことだ。
家は山の中にあり、近所の道には電灯などついていない。なので仕事があるから朝早く犬の散歩に行こうと思っても日が昇るまで真暗で歩けない。
「懐中電灯を持って行けば」と聞こえてきそうだが、そんなものは役に立たない。なぜなら、野生の動物達は僕らの正面から襲ってくれるとは限らないからだ。
最近熊出没の話がご近所さんから、近所のレストランの会話から、聞こえてくる。ただでさえ熊に出会って上手く対応しないと、大けがまたは「死」なのに、こっちが何も見えない状況で熊に会うなんてのは、もれなく「死」をプレゼントと言っても過言ではない。
実際、ウチの犬はそもそも暗闇には入りたがらない。「キケン過ぎて、そんな暗い道に入れないよ!」という目でこっちを見る。犬が正しい。
これからもっと日の出が遅くなる。困った。