本当に引越しすることになった。縁あって東京の隣の県の山の中に家を購入した。この地域の居住者数は約1,000人。家の近所には8軒ほどの家があるだけ。最寄りの駅までは車で約25分かかる。
なぜこんな山奥に引っ越すのか?
それは、ありきたりな理由なんです。犬と一緒に大自然を楽しみたいから。朝の散歩のため、家を一歩出たらそこはすでに森の中。すれ違うのは、近所のおじさんが軽トラで通るぐらい。あとは、犬と私たちと森だけ。上機嫌にピンと上がった犬のシッポを目印に犬についていく。そして、奥さんとどうでもよい話をしていたら家に着く。
昼、太陽が出ていれば犬は庭の木陰で昼寝。こっちは、仕事はしなくちゃいけないのでパソコンに向かう。窓から、昼寝中の犬を眺めながらZOOM会議。
楽しい事だけじゃない。東京の便利な暮らしと比較すると、不便を感じることがあるだろう。例えば、買い物、郵便物の送付、今夜は外食にしようか?なんて場合も車での行動が必要になる。(もし、近所に夜までやってる店があれば)。不便さを受け入れることができるだろうか。頻度が下がったとはいえ、通勤時間は今の4倍に伸びた。人間側が「もう無理!」とバンザイしてしまう危険性はある。
楽しい事と不便さの両面を常に感じながらの生活になるだろう。そして、実際に生活してみるまで、どっちがどっちを上回るかはわからない。
だからと言って引越さない理由にはならなかった。
何をやるんだって約束されたものなんてない。結局大切なことは、コントロールできる事に集中して、そうじゃない事はほっとくことだと自分に言いきかせる。