今日は珍しく僕の顔を見て「キューン」て鳴いたんです。後でわかったんだけど、実はおしっこがしたくて僕にサインをだしていたらしい。その10分後、リビングの真中に大きなおしっこの跡が作られていた・・・(涙)
どうして犬のサインが分からなかったのか?
僕たちは、言葉を使ったコミュニケーションに頼り過ぎているために、それ以外のサインを読みとる感度が落ちているのだと思う。通常、何かわからないことがあれば、わかる人に言葉を使って質問すればいいし、グーグルで検索すれば、(グーグルのアルゴリズムが正しいと判断した回答)答えが返ってくる。
自分で想像して答えを導き出す能力が劣化しているということか?
どんなステップを踏めばもっとそんなサインに気付けて、理解できるだろうか?3つのステップについて書いてみる。
ステップ1は、「非」パターン認識の感度を上げることだ。少し説明が必要だと思う。
パターン認識は人間の得意とするスキルだ。赤・青・赤・青・赤・青と来たら次は赤と気付く。もし、次に続けて青がきたら?パターンがズレているので(非パターンなので)異変に気付く。
今回のケースで考えると、ウチの犬は、通常おやつが欲しい時は、おやつの入っている冷蔵庫と僕の顔を交互に見る。僕はこのパターンを認識して、「おやつが欲しいんだな!」とわかる。今回は、僕がおやつを食べていた時に僕の顔を見て「キューン」と鳴いた。この時、僕は早とちりして「犬がおやつを欲しがっている」と勘違いしてしまった。もう少し考えれば、「あれ?いつものパターンと違う」と気付けたはずだ。
仮にステップ1で気付けたとしよう。でもその先の「じゃ、何がいつもと違うのか?」。「何が問題なのかを知るためには何をすれば良いのか?」まではわからない。人間同士だったら、言葉を使って質問すればわかる。しかし、言葉の通じない相手に対してはこの手法は使えない。例えば、車の調子が悪い場合、調子が悪いのは分かっても、その原因は分からない(言葉を使って車に質問できないので)。注意深く現象を観察して、想像するしかない。
ステップ2は、どうやって自分の想像力を働かして問題が何かを仮定することができるか?だ。そして、これは泥臭い作業で、考えついた仮定を一つ一つ消しこんでいく作業だ。例えば、「キューン」と鳴いた。仮定⓵:おやつが欲しい?でもいつものリクエストの方法と違うな。では、仮定②:体の具合が悪い?いや、朝の食欲はいつも通りだ。仮定③:ウンチがしたい?いや、朝の散歩でしている。仮定④:おしっこに行きたい?という具合に。
そしてステップ3は、最終的に僕らの仮定が正解であっても、不正解であっても結果について学び、パターンの引き出しを増やすことだ。パターンが増えることで、犬と人間のコミュニケーションの質が向上する。より多くのパターンをわかってあげることが飼主の責任だと思うし、これこそが犬を飼うことの最大の楽しみである。