「犬のリーダーになりなさい!」の勘違い

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Aさん「ウチの犬は全然言う事を聞かなくて・・・」

Bさん「それは、あなたのリーダーシップ不足が原因・・・」

こんな会話を聞いたことありませんか?

そもそも犬に対するリーダーシップとは何だろうか?巷で語られる犬へのリーダーシップという言葉の勘違い、そして本当はどんな意味で使われるべきかについて考えてみる。

2つの勘違いされたリーダーシップ VS. 2つの本来のリーダーシップ像

勘違いされたリーダーシップ

勘違いされたリーダーシップ①:リーダーである飼主は犬より上位の存在でなくてはならない。しつけの動機・理由は人間が犬より上の立場に立つためである。犬にいろいろな芸を覚えさせるのは、人間と犬との上下関係を犬にわからせる為である。

勘違いされたリーダーシップ②:リーダーとして認められるために犬に好かれる必要がある。よって、犬を人間のルールで縛り付けることなく自由に育てる。まるで人間の我が子のように。犬がテーブルの上の食べ物を盗み喰いしてもOK。なぜなら、注意すると唸られるから。

解説:①は、リーダーというよりは、「支配者」。もちろん、犬が人間社会で生きていくには人間の指示に従わなくてはならないケースも多々ある。しかし、この関係がいき過ぎると犬との関係が深みの無い機械的な関係になってしまう。②は、犬を人間の子供のように育ててしまう例。人間社会のルールや制限を意識することのない犬は、多くのケースで問題行動を憶えていく。

本来のリーダーシップ像

本来のリーダーシップ像③:ガイド役としてのリーダー。犬は人間社会のルールなんて知らない。母犬だって教えてくれない。人間である飼主が犬をしつけなくてはならない。犬をしつける動機・理由は、可能な限り犬は犬らしさを失う事なく、人間社会のルールの中で安全に生きられること。犬は自分の意思で行動するが、それは飼主のガイダンス内でのこと。

本来のリーダーシップ像④:飼主は犬にとって必要な存在になること。犬にとって、飼主と一緒に居れることが大きな幸せであること。犬が外的な危険を察知すればすぐにリーダーに知らせる。犬にとって飼主は頼れる存在であるからだ。例えば、「広い公園で、リードを外しても一定の時間が経つと飼主が居ることを確認しに戻ってくる。または、こちらの存在を気にして一定の距離以上離れることなく飼主の後をついてくる」

解説:本来のリーダーシップ像③と勘違いされたリーダーシップ①の違いは、なぜ犬をしつけるか?その動機である。①は上下関係を明確にするため、③は、犬が犬社会とは全く異なる人間社会の中で安全に生活できるようガイドするため。本来のリーダーシップ像④と勘違いされたリーダーシップ②には大きな違いがある。「犬はどっちのリーダーを頼ってついて行きたいか?」を想像すると関係性の違いは明確である。

おわりに

犬へのリーダーシップという言葉をとても嫌う飼主がいる。リーダーシップという言葉の中に①のような「支配的」という意味を連想する人が多いからではないか?バブル経済崩壊前の日本だったらそんなリーダーに人はついていったかもしれない。だけど21世紀に入って20年たった今、①や②のリーダーシップスタイルでは犬はもちろんのこと、人間だってついていかない。

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