犬の遺体と家に帰った時、チリ(残された犬)は状況を上手く呑み込めていない様子だった。数時間前まで一緒に生活していた犬は毛布に包まれたまま動かない。でもチリはいつもの様に近寄って確認を始めた。
-近づいてもいつもの反応がない
-においがいつもと違う
-体温が感じられない
数分後にチリは異変に気付いたようだった。でも、これを「死」として認識していたかどうかは分からない。人間の子供は誰かに教えてもらうまで死の概念を理解しないと聞いたことがある。犬は生まれつき理解しているのだろうか。
それから2日間、チリは死んでしまった犬を探すような行動を見せた。
-2Fから階段を見下ろして誰かが上がってくるのを待っている。(いつも自分が先に2Fに上がって上で待っていたため)
-散歩中、後ろを振り返り確認
何かが違う。もう居ない。ということは理解しているようだ。3日前まで一緒だった犬が「何故か居ない」とまでは認識しているようだ。
今回の経験から言えることは、犬は「死」という状態を理解しているかもしれないし、していないかもしれない。でも、犬がいつもと違う状態になってしまったことは認識しているようだ。そして、犬が居なくなってしまったことの認識はあるようだ。
結論は、犬の状態が変わってしまった事と、犬が居なくなってしまった事は個別に認識しているが、それぞれを結びつけること(死んだから居ない)ができているとは断定できないのではないだろうか。