犬を飼うということは、出会いのステージ①、成長のステージ②、そして別れのステージ③からなる生き物の一生を凝縮されたスケールで経験することだ。各ステージで私達は「よろこび」と「苦しみ」をもれなく経験し、そこから学び、成長する。今回はステージ①の出会いについて実際の私の経験を基に紹介します。
ステージ①:出会い
新たに犬が家族の一員として加わる。純粋でひねくれた部分がない。人間に対して依存度が高く人はこの小さな生き物を守ってあげたくなる。そんな感情を刺激してくる時期だ。家族みんなの視線がこの新しいメンバーに集中する。エサをあげたい、抱きしめたい、一緒に散歩に出かけたい。家族みんな幸せいっぱいだ。
しかし、3,4日すると犬は新しい環境に適応してくる。まだ多くのことが把握できていないながらも少し自我が芽生える。食欲、運動欲、甘えなど、犬として通常の活動を始める。例えば、
おしっこ、うんちをこちらの望む場所でしてくれるとは限らない。望まないところですることの方が多い。よくわからず踏みつけて家中おしっこ、うんちまみれになることも。犬を飼う前の家と飼い始めた後の家のにおいはもう同じではない。
突然の下痢。こっちはパニック。誤飲した?体を冷やした?精神的なもの?エサが合っていない?何か病気をもっている?飼主の心配は尽きない。
夜泣き。無駄吠え。犬が不安なのは当たり前。でも、いちいち犬の様子を見にいったりすることは一層無駄吠えさせる結果になることを知らない飼主が多い。無駄吠えはご近所さんとのトラブルに発展することも。飼主は寝れない夜が続く。
急に食べなくなる。原因が分からない。エサが合わない?アレルギーは?エサを変えてみる?
以上のように、この時期はトラブルが尽きない。家族みんなが協力をしてくれれば良いが大体世話をするのは特定の1人。他は、可愛がりはするが、糞尿の世話はしない。エサの準備は人任せ。夜の無駄吠えが聞こえていないのか、聞こえないふりなのかグーグー寝ている。一人世話をするあなたは段々と睡眠不足になり、それがストレスへと変わっていく。ちょっとしたことでイライラする。
そして、ある日。「いつになったらおしっこの場所を覚えるの?!」と犬に対して声を荒げてしまう。そして、3秒後には大きな後悔。犬に大きな声でおしっこの仕方を注意したところで改善なんてしない。でもまた次の日も声を荒げてしまう。また、後悔。
家族から「犬に怒ったって・・・」と指摘される。それに対して「ろくに世話もしないで何言ってる!」とケンカになる。
犬を迎え入れ「よろこび」いっぱいの生活が待っていたはずなのに。身体、精神とも疲れ果ててしまう。 「こんなはずじゃなかった・・・」
ここから「学び」そして「成長」
まず、何が問題かを考えてみる。イライラして声を荒げてしまう原因について考える。次に、どうしたら改善できるか考える。もちろん相手は言葉の通じない犬なので言葉で交渉することはできない。ならば犬の行動をパターン化して対応策を練る。そして、試す。上手くいかなかったら違う方法でまた試す。
例えば、おしっこのしつけ。イライラの原因は、しつけが上手くいかないから?教え方が悪い?じゃ、教え方から再度勉強する。新しい方法は、①おしっこをしそうな場所すべてにペットシートを敷く。②徐々にパターンが見えてくる。何時間毎に用をたす?食後には必ずする?一番重要なことは「どの場所で一番多く用をたす?」だ。
③パターンがわかれば、失敗させない方法も見えてくる。叱るのではなく、正しい場所で用をたした時は褒めて成功体験を植え付ける。
100%自分のコントロール下にない物事に対して、イライラしてテンパって、冷静さを失い声を荒げていたのが、パターン認識することで失敗の頻度を下げることに成功する。
イライラって止められる?悟りの域に達したお坊さんじゃないから、イライラなんて止められない。逆に無理に止めようとするのではなく、失敗から学び、仮説を試し、失敗の頻度を下げていく。そうするとイライラする頻度も下がる。イライラしなければもっと冷静に問題に対応できる。冷静になればより良い判断ができ失敗の頻度はもっと下がる。
いかにイライラして投げ出してしまいたい感情から、上記のループに入れるかがカギだと思う。
1歳になるうちの犬の世話をすることで学び成長させてもらったことを紹介しました。(実話)
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