先週の投稿に続き、呼び戻しの練習法について紹介します。ちなみに練習の進め方ですが、前のステップができるようになってから次へ進むことをお勧めします。
まずは、前回の投稿で紹介したステップ①から③までのおさらい。フルストーリーを確認したい方の為に、Part 1へのリンクも張り付けておきます。
ステップ⓵で基本の動きである「呼ばれたらアイコンタクト」の練習方法を紹介しました。ステップ②では、呼ばれたら「最初の一歩を踏み出す」練習。最初は一歩踏み出すことが難しいかもしれません。その場合、リードを「軽く」引いて、最初の一歩が出せるよう誘導してください。ステップ③では、リードを使わずにコマンドに反応する練習方法を紹介しました。ここまでが、前回の投稿です。
みなさん、練習してみましたか? 上手くいきましたか?1つお伝えしたいのは、紹介している方法だけが正解ではないという事です。もっとあなたの愛犬に適した方法があるかもしれません。そんな時は、柔軟に方法を変えて練習してください。
それでは、本題のステップ④と⑤を紹介します!
ステップ④:犬の頭のスイッチを切り替えて呼び戻し
ここまでくると、高い成功率で呼び戻しで出来るようになっているのではないでしょうか?ステップ④は、実際にあるケースのシミュレーションです。よって、これまでで一番難易度が高いステップかもしれません。
拾い食いをしてしまう多くのケースで、犬は人間より先に、それを見つけます。想像してみてください。それは、昨日公園で捨てられた鶏肉の骨かもしれません。
あなたの犬は、あなたの手を離れてその臭いに向かって一直線に走って行ってしまいました。しかしその時、犬は後方からあなたの声をキャッチします。
「XXちゃん もどれ!」
最初、犬は鶏肉の臭いで頭がいっぱいでした。しかし、後から入ってきたあなたの真剣な声が耳に入ったため足を止めます。そして、あなたの元へ尻尾を全開に振って戻ってきました。
これがステップ④のゴールです。
準備するもの:おやつ、室内(気の散らない場所)、コマンド(家族で統一された言葉。例:おいで!、来い!、カム!など)、マーカー(家族で統一されたほめ言葉。例:よし!、上手!グッド!など)、 長めのリードと首輪
練習法
4-1:犬はあなたのそばにいます。リードは犬に付けて手でもっておく
4-2:おやつを2~3メートル先に投げます。犬は取りに行きます。
(おやつに気づかない場合は、一度鼻に近づけておやつを認識させると良いでしょう)
4-3:おやつを食べてしまう前に、リードを引いて止めます。ここで、名前+コマンド(例:XXちゃん、おいで!)
4-4:振り向いて戻ってきたらすぐマーカー。(最初から戻って来なくても大丈夫。次のステップへ進んでください)最終的なゴールは、リードを使用せずに戻ってくることです。
4-5:おやつに気をとられて、こちら側に気持ちを向けさせることができない場合は、リードを「ツンツン」と軽く引いたり、「チッ、チッ」と口を鳴らして(どんな音でもOK)、床の上のおやつへの気持ちを断ち切って、こちらへ気持ちを向けさせます。振り向いて、こちらに一歩踏み出したらたら成功です。すぐにマーカー。
4-6:最後まで戻ってきたら、おやつを与えてマーカー
4-7:最後に床の上のおやつの場所へ犬を誘導しておやつを食べさせる
コツ:おやつからこちらへ気持ちを向けさせられなくても、コマンドの連呼は出来るだけ避けます。ここでは極力、犬の注意を引ける音、リードを上手く使っておやつへの執着を断ち切ってください。「コマンドを伝えたけど行動を起こさない」という失敗経験を出来るだけ避けるためです。(犬は、自分の行動とあなたのコマンドが無関係と学習してしまう事があるため)
最初は難しいかもしれませんが、繰り返し練習すれば、こちらを振り向くまでの時間が短縮されてくるはずです。焦らず時間をかけて練習しましょう。

ステップ5:実際に呼び戻してみる。そして練習・・・
おめでとうございます。ここまで来たら後はもう練習あるのみです。
準備するもの:室内、コマンド(家族で統一された言葉。例:おいで!、来い!、カム!など)、マーカー(家族で統一されたほめ言葉。例:よし!、上手!グッド!など) おやつ(毎回使うのではなく、ランダムに与えて徐々に頻度を減らしていきます)
練習法
5-1:名前+コマンド。近い距離から呼び戻しができるようになってきたら、少し離れて練習しましょう。別の部屋から呼ぶのも良い練習かと。犬との距離があるほど難易度が上がります。
5-2:アイコンタクト、そして一歩こちらに踏み出したらすぐマーカー
5-3:最後まで戻ってきたらまたマーカー
コツ:繰り返しになりますが、マーカーは大げさに、そして楽しそうに。出来るようになってきたら、今度は少し環境を変えて難易度を上げてみましょう。まわりに他の家族がいる時に、または犬がおもちゃで遊んでいる時に呼んでみたり。
ただし、1つ気をつける必要があります。ステップ④でも触れましたが、呼び戻しの失敗は出来るだけ避けてください。(飼主の声が聞こえても反応しない状況を作らない)犬が、自分の行動とあなたのコマンドが無関係であると学習してしまう場合があるためです。
室内でマスターしたら、外へ出てみましょう。外は室内と違って、気が散ってしまう要因が一杯あるので、(音、におい、動くもの)更に難易度が上がります。 安全の観点から、最初はロングリードなどを使用する事を忘れずに。

最後に
いかがでしたでしょうか?
前回の投稿で紹介したステップ①~③に続き、
④犬の頭のスイッチを切り替えて呼び戻し
⑤ 実際に呼び戻してみる。そして練習・・・
を紹介しました。 呼び戻しはとても重要であると認識されていながら、難易度が高いため、多くの愛犬家が習得をあきらめてしまっているしつけではないでしょうか。
呼び戻しがいつ、どんな時に必要になるかわかりません。愛犬を守るため、そして責任ある犬の飼育のために、準備をしておくべきしつけだと思います。
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