あなたはいつもの公園で、突然興奮してしまった愛犬を収めたい。でもどうして良いか分からない。なのであなたは、「NO!」、「NO!」、「NO!」と大声で注意する。でも犬の興奮は収まるどころかもっと興奮してしまう・・・。
こんな経験ありませんか?本投稿では、①興奮している犬にみられる行動、②興奮している犬への対処方法、そして③興奮させないための日々の心がけについて紹介します。
⓵犬が興奮するとどうなる?止めさせたい行動
興奮はいくつかの望ましくない行動につながっています。興奮による、飛びつき、無駄吠え、攻撃的な行動など。では興奮してしまう要因はどのようなものがあるのでしょう。例えば過剰な恐れ、何かを守る、気持ちの不安定さ、運動不足、過剰な執着心、社会性の欠落などが考えられます。ここでは興奮することにより、どの様な行動が生まれるかについて紹介したいと思います。
- 人への飛びつき:犬の好意的な行動として考えている人がいますが、これは大変危険な行動です。大型犬が一般的に踏ん張りのきかないお年寄りや子供に飛びつき、倒してしまって怪我をさせたら一大事です。場合によっては大した怪我をしていなくても飼主へ損害賠償を請求するケースもあります。(一定数の人は犬が嫌いです)
- 無駄吠え:事あるごとに吠え続けます。飼主自身、そして家族もストレスが溜まり疲れてしまいます。マンション等にお住まいの方はご近所さんとのトラブルにもなりかねません。原因は複数あります。外から物音が聞こえたので、群れ(飼主・家族)に危険を伝える。吠える事によって自分の要求を通そうしている事など。
- 急に走り出す:愛犬が鬱積を晴らす様に家の中を走り回る事がありますか?これはFRAP(Frenetic Random Action Periods)(熱狂的なランダム活動期間)または、Zoomiesと呼ばれる行動かもしれません。子犬に多いとされていますが、毎日同じような時間帯に起こる場合は健康的なエネルギーの発散方法としてFRAPが考えられます。特に問題行動ではありませんが、食器や花瓶を安全な場所へ避難させる必要があります(笑)
- 他の犬または人への攻撃的な行動:他の犬と歩道をすれ違う際に恐怖のあまり吠えるレベルから、視界に他の犬が入ったらスイッチオン。目を剝いて殺しに行く勢いで吠えるレベルまであります。あまりひどい場合は 速やかにプロに相談する事をお勧めします。
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⓶興奮している犬にどう対応するか?
では、興奮している犬への対応方法について考えてみたいと思います。上で触れたそれぞれの行動について見ていきます。
- 人への飛びつき
- 自分の犬が人に飛びついてしまった場合は、落ち着いた声で(私の場合は低い声を使います)それは望ましくない行動と伝えます。その際、犬の首輪、首輪無しの場合は首の肉を強くつかんで降ろします。犬の前足が地面ついてからもう一度「ダメ!」(または、あなたのいつも使う言葉で)と伝えます。この時注意したいのが力を込めて一発で確実に降ろすことですが、あなたの声は落ち着いている(あなた自身が興奮しない)という事です。犬は言葉の意味は分かりませんが、声のトーンで「望ましくない行動」とわからせるためです。
- もし、あなたが飛びつかれたのであれば、喜ぶ声や仕草を見せずにすぐに犬に背を向けながら降ろしてください。「飛びつかれても嬉しくもなんともないです」という感じで無視してください。
- あなたの友達が飛びつかれた場合も「しつけのために無視して」とお願いしてください。望ましくない行動に対して喜ぶ反応をしてしまうと犬は正しい行動と勘違いしてしまいます。
- 無駄吠え
- 無視すること。子犬を無視するのは可哀そうと思いがちですが最初が肝心です。「NO」、「うるさい!」などと注意さえもしないでください。成犬の無駄吠えも一緒です。ただ子犬に比べて修正には長い時間がかかる可能性が高いので根気が必要です。
- 注意したいのが、興奮してしまったからといって背中を撫でながら「大丈夫だよ」となだめることです。無駄吠えを助長するだけです。犬は飼主が優しく撫でて(褒めて)くれるから飼主の望む行動だと勘違いしてしまします。
- 犬が何かを得るために吠えているのであればそれを与えてはいけません。少し落ち着いたら外に散歩に連れ出してエネルギ―を発散させるのが一番良い方法と思います。ただ、「散歩に連れていけ」と要求吠えをしている場合は散歩に連れ出すのは(犬の要求をのむことになるため)NGですが・・・。
- 他の犬または人への攻撃的な行動
- リードを短く持ち、犬をあなたの横に付けます。犬があまり自由にならない様にしてください。そして、それは望ましくない行動と伝える。飼主に咬みつく場合、または他の犬への攻撃的な態度(咬みつくような勢い)がみられる場合はすぐにお近くのドッグトレーナーにご相談ください。
- 大切な事は、声を荒げず低い声で伝える。「NO!」、「NO!」、「NO!」と興奮した声で注意するのはNGです。犬の興奮を助長するだけです。
- それでも収まらない場合は、リードを上にキュ、キュと釣り上げてコントロールする。前足が軽く浮くぐらい。これは痛みを与えて注意するのが目的ではなく、犬の興奮の原因になっているものから注意を切り離すためです。収まらない場合はお近くのドッグトレーナーへの相談をお勧めします。

⓷日々の心がけと予防
過度な興奮による問題行動は日々のしつけにより多くの場合予防できます。日々の心がけ6つを紹介します。
- 定期的な運動でエネルギーを発散させる
- 毎日十分な運動をしている犬は問題行動も少なくなります。朝と夕方できれば1日2回は外に散歩に出かけましょう。(注意:庭に放すのは散歩ではありません)外に出て犬がトイレを済ませば終わりではありません。犬は人間の近くで暮らす様になる前、巣の外に出て自分で食べ物を探しまわりました。毎日しっかり歩く事が犬にとって自然だし必要です。
- 興奮している犬を褒めない
- 多くの飼主が、興奮している犬をなだめるために背中を撫でながら「大丈夫だよ」と話しかけます。これは望ましくない行動を承認し助長することになり逆効果です。興奮している犬に対しては無視するか、低く落ち着いた声で望ましくない行動を注意しましょう。
- 逆に落ち着いている時はしっかり褒めてあげること
- 一度興奮はしたものの落ち着いてきたら、落ち着いている事を褒めてあげましょう。落ち着いていれば褒められると思わせます。ウチでは、私が帰宅した時は「ただいま」も言わずに犬を無視します。犬が自分のベッドに戻って落ち着いたらしっかり褒めてあげます。
- 気持ちに刺激を与えるようなゲーム、一定の範囲内で
- 運動を通して興奮しても良い状況を作ってあげましょう。例えば、引っ張るのが好きな犬なら一緒にロープを引っ張り遊んであげる。しかし、犬が限度を超えて興奮したと感じたら一度遊びを中断しましょう。ある一定以上の興奮は求めていないと伝えるためです。犬が落ち着いたらまた遊びを再開しましょう。
- 香りを使って落ち着かせる(アロマ)
- ご存知の通り犬の主要な感覚器官は鼻です。そして、いくつかの香りにはヒーリングの効果があります。ラベンダー、カモミール、オレンジは犬を落ち着かせる効果があるとされています。犬が落ち着いている時に嗅がせて「ラベンダー=落ち着いた状態」を定着させると良いでしょう。(愛犬にアレルギーが無いかは事前に確認が必要です。)
- 飼主がまず落ち着く
- 飼主が慌てふためいていては犬も落ち着けません。犬が興奮し始めたらどの様に行動するか事前に考えておきましょう。そうすれば慌てることなく決めた通りに行動できます。避けたい行動は、犬の名前を大声で呼んで「NO!」、「NO!」、「NO!」と叫んでしまう事です。逆に犬をもっと興奮させてしまうだけです。犬が興奮している時ほど気持ちを落ち着かせて対応する必要があります。
おわりに
いかがでしたでしょうか?:-)最後に質問です。あなたはどちらの犬が幸せだと思いますか?
1.あなたが帰宅したらあなたに飛びついて喜ぶ犬
2.あなたが帰宅しても興奮せず、尻尾だけ振りながらベッドの上であなたを見ている犬
私は2の犬の方が幸せだと思います。定期的にしっかり運動させてもらい余分なエネルギーは発散していて、主人が帰宅しても「無駄な興奮は望ましくない」としつけされている状態。こんな犬を見ると「飼主に愛されているんだなぁ」と思います。